N810―maemoプラットフォームは何処へいくのか(2) [N810]

Maemoが持つOS的優位性
Maemoが先天的に持つiPhoneOSへの優位性は、完全なマルチタスクの実現と、それをPalmWebOSとは違ったスマートな形で実現している点にある。PalmWebOSのそれがブラウザ的な、マルチタッチに特化したインターフェースを有しているのと違い、MaemoのそれはあくまでもGNONEをカスタマイズした物に過ぎない。しかしそれがタッチオペレーションと比較的な大画面によって、十分に昇華されている。
そして特筆すべきはそのUIがマルチレイヤーによって実現されていることだ。小さな画面と言う制約を受けてきた携帯電話において、その画面とは常にフルで使う物であった。メニュー画面を開くときも、アプリケーションを起動しているときも。しかし、当初より潤沢な画面を有し、Linuxから引っ張ってきたインターフェースを持つMaemoプラットフォームにとって、(NOKIAがこれを携帯電話と位置づけて無かったこともあり)その慣習は全く意味を成さなかったし、実際問題その操作感覚はPCに近い。それでいて、操作感は小さい画面を有するx86PCよりも遙かに容易だ。
そしてこれらの利点にぴったりと当てはまるプラットフォームが去年生まれた。

何故intelとNOKIAは提携したのか
Intelが提唱したCentrinoAtom、そしてMIDの定義は、NOKIAの持つInternet Tabletシリーズと、その使用しているCPU以外はぴたりと一致していると言って良い。Intelの旗振りにもかかわらず、いわゆるMIDと呼ばれる製品はほとんど流通していないし、Lenovoを除き大手メーカも参入していない。もちろんこれは、今のIntelのチップセットとCPUのTDPが、モバイル製品としては極めて高いこととも一因である。しかし究極的に言えば、それはx86である限り、どこまでもどこまでもWindowsの影が忍び寄ることが、MIDの作成を邪魔していると言って良い。OSにWindowsを採用する限り、ユーザーは入力しやすいキーボードを求めるし、少なくとも現時点ではタッチオペレーションに関してもWindowsは貧弱だ。おまけにMIDとしては要求スペックは高く、9年間のOSであるXPさえ動かすのがやっとである。それでもなお、人々はx86アーキテクスチャである限り、Windowsであることを求めるだろう。少なくとも大多数の人間から支持をつかむためには。
もちろん今後IntelがARMに参入する可能性はきわめて低い。今後Intelが取り得る選択肢は、すべてのコンシューマ、高性能を必要とする組み込み無向けの製品を、x86アーキテクスチャで塗りつぶすことだけだ。そしてその一歩として、MIDと呼べる端末を長く作り続け、なおかつ携帯電話産業において圧倒的なシェアを持つ、NOKIAはベストパートナーでは無かろうか?
もちろんNOKIAの考えは別のところにある。iPhoneやWindowsMobile、そしてサムスンの出すsymbian携帯(そして今後はPalmやAndroidにも!)に対し、Nシリーズは商品価値を失いかけている。そしてsymbianの拡張も、日本の携帯のように限界に近づいている。であるからにして、今後Nシリーズの別ラインナップ、そして中核として、近代的なUIを持つMaemoプラットフォームを据えようと考えても、何ら不思議はないだろう。リークされた、N900のスペックが、それを如実に物語っているだる。5MPのカメラや、トリプルバンドW-CDMAなどは、今のNOKIAのハイエンド、N97とほぼ同スペックであるし、そしてそのほかのほとんどの部分ではN900が上回っているからだ。(しかし液晶サイズは前モデル比ダウンサイジングした!)そして更なる差別化として、アーキテクスチャにx86を導入すると言うことも十分にあり得るだろう。しかしそれは、iPhone対抗ではあっても、決してIntelが提唱するMIDではなく、あくまでも電話の域を出ないものだ。既にNOKIAはMaemoプラットフォームへ、PDAとしての矜持を捨てさせ、ハイエンドスマートフォンへの脱皮を図らせようとしている。そこに、Intelと、Nokiaのずれがある。

続く。(予想と反して3部立てだ!)

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